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2013年8月12日月曜日

t. Don't stop!

今回は妄想劇 第六話目でございますよ。
もうちょっとサクサク作れるようになると、いいんですがね。
フリーウィルの他の世帯で全然遊べてないという。。。。。
六話は急遽差し込んだお話でして、本来はもっとキャラが成長したお話にするはずだったんですけど、
回想シーンで入れるより、今回いっぺんにブチ込んじゃおうと思いつきました。
で、話から書いたので時間掛かった訳です。本家お屋敷のロットも作っちゃったからね。v
今回のエロスのテーマは「補う」です。
出演してる大人たち全員が「失った心」を補っていきます。もう想像つくかなwww
登場人物はこちら。書いてるうちにキャラの性格が安定してきたので、特質も載せてみました。


では、覚悟が出来た方だけ下へGO!








長い長い瞑想のあと・・・・・・・・・・
やっとたどり着いたところは
地獄でもない
天国でもない
明るい未来だけだった








ブロロロロ・・・・・・・・












「長い間連絡しないでごめんなさい、、、申し訳有りませんでし た、、、ただいま~!みんな元気だった?」






「・・・あー、あんなに考えたのにどれもしっくりこないわ。。。

ドナルトさん、どんな謝り方が良いのかしら?」






「奥様らしく元気に謝られてはいかがですか。 いつも通りの笑顔で。

皆様もなごまれることでしょう」



「や、・・やだドナルドさん。まだ、奥様だなんて//// 照れてしまうので、今まで通り名前で呼んでください」







わたくしが・・・

わたくしがそういう訳にはいかないのです・・カオリ様・・わたくしあなた様をお慕い申しておりまし た・・・

ですから、はっきりと区切りをつけなくては・・・





「はッ!? ドーン?」





キキキィーーー!!!





「カオリ様ぁぁ!!!」





























愛しのユーリ・・・ユーリちゃん、、、



わたくしを呼び戻す声が・・・・わたくしを〈ユーリ〉と呼ぶのはあの方しかおりません。

ここは、あの世との狭間なのですね・・・・

















「こら!ユーリ起きんか!!!」





「!?」



「起きたか。 うなされてたから起こしたぞ」



「こ、ここは?・・ ロッチェル様?」



「も~ロッティちゃん、v だろ?

往診の帰りにたまたま臨時教会に寄ったら、衰弱して倒れてたんだよ。

服装からすると葬式の帰り、あのまま三日間ずっと篭ってたのか?

・・・ダミィを呼んで連れ帰ろうとしたら、なぜか暴れだしてね、

鎮静剤射ったらコロッと・・・・・・殺したかと思ったぞ!」






「そうでしたか・・

ご迷惑をおかけしました。・・・いかほど眠っていましたか?」



「三日だ」



「三日も・・・」







「あー、それと、、、なんだぁ・・・

驚かないよう今のうち言っとくがなぁ。。。そのぉ、お前の髪がなぁ・・・・」






「知っております。白髪でございましょ?

教会に篭っていたといっても食事にもお手洗いにも行っておりましたので・・・・

人間とは凄いものですね? 正直もうどうなってもと思っておりましたのに、

お腹がちゃんと鳴るんですよ。『生きたい生きたい』って」



「(怒) あ、当たり前だろ!!! 大概にしろっ!」






「あああ、そうだダミィ、下に来てるぞ。

あー、起きんでいい! 消化にいいもん持ってきてやるから、それまで横になってろ。

い・い・な!」



「おてかずをおかけします」








わたくしはなぜあのような夢を・・・・・・

心の何処かでカオリ様を?・・・・・

まさか・・・・・・

そして子供の頃のドーン様は何を意味して・・・・・・






「ドナルド?起きたんですね。良かったです。

今朝来たら、まだ一度も起きてないというんで心配していたんですよ」








「ダミアン坊っちゃまにまで・・申し訳有りません」



「坊っちゃまは、よしてくたさい。 僕にはそんな資格は有りません。

・・・と言いたいところですが、フォクス達にせつかれてね。

今日はドーンの残務処理や処分しなくてはならないものを手伝って貰おうとお願いに来たんだよ。 

まさか起きたばかりとは。 よっぽどだね。もう少し寝ていて下さい」



「いいえ、わたくしはもう大丈夫です。 そうですね、あとを継がれるにはいささか膨大過ぎますね。 

少し縮小しなくては・・・よろこんでお手伝い致します」






「・・それなんですが・・ドナルド。

僕は後を継ぐ気はないんだ。 ドーンは死んでもどうしても許すことはできない・・」



「・・・・・そうですか。 わたくしがとやかく言える身分では有りませんが。。。

裁判所からのドーン様の遺言はお聞きになりましたか?」



「はい」



「あれがドーン様の坊っちゃまへの、思いの全てです」


フルフルフル・・





「ドナルド。。。

早々になにもかも捨てて屋敷を出た僕には資格がないといってるんですッ!」







ダミアン、拳を握る。

それを見逃さないドナルド。放任する台詞へとすぐさま変換。




「・・・・・カオリ様のいない今となっては殆どは坊っちゃまの持ち物です。

煮るなり焼 くなり好きになさって宜しいと思いますよ?」



「ううぅ・・・

わかりました。・・ここを・・・ここを拠点とし活動しましょう。

別宅、、、ここのような別宅は今いくつあるんですか?」



「八つでござい ます」






「!?八つもですか?・・・・ではここを残して、それらを全て処分。

演劇関係を全て切って事業を縮小。海外支部はパリとイタリアのみ残し処分。

テーラーはこのまま取引してもらい、

マテリアルショプをショアとブリッジポートのみ残して、うーん、誰にお願いしよう・・・

信頼の置ける・・・?・・そうだ、フォクス達に任せましょう!」






「坊っちゃま。フォクスもフリオも既にご高齢。 わたくしより上で御座いますよ」



「うーむ・・・・・・

わかった。 ダグラスにお願いしましょう。 ダグラスの財産分与に追加します。

高校卒業予定までのあと八年なんとか私たちで持ちこたえましょう」



「・・・・・・仰せの通りに。 お手伝い致します」



「それとね、ドナルド」



「はい」






「知っているとは思うが、ロッティのこと考えてやってはくれないか?

勝気に振舞ってはいるが、あれでも相当我慢強いんだ。 口が悪いから分かり難いけどね。

ダグラスを取り上げたあの日・・・・あの日から10年待ち続けているんだ」



「はぁ。。。しかしわたくし一生こちらで勤め上げる所存と、既にお断りを・・」



「放って置くと一生お前を待っていると思いますよ。 あっ!これは内緒です。 ロッティに殺されてしまう」



「そうですか困りましたねぇ。。。今が一番輝いている時ですのに・・・・・・

わたくしの様なものには勿体のうございます」



「お前が嫁にもらわないと一生『行・か・ず・後・家』ですよ、ロッティは」







「・・・・分かりました。 先ずは『デート』というものから初めればよろしいのですね?」



「?・・・どなたかとお付き合いした事は無いのですか?」



「中学の時に一度。 遠い昔々の話でございます」



「徹底していますね、ドナルドは」



「わたくしの特技はこれだけでございますから」



「(ここは笑うところでしょうか?)

・・・・あー、それとダグラスの事なんですが、カオリさんの御実家に問い合わせてみたんです。

話し方の癖が強くて、どうも要領を得なくて。。。

恐らくカオリさんのご友人に預けていると言っていると思うんですが・・」






「はぁ」



「驚いたことに、そのご友人というのが、どうも僕がよく知っている方ではないかと思うんですよ」



「坊っちゃま?心なしか目が輝いていらしゃいますね」



「分かりますか?今、興奮して来ました!!! なにかこう、懐かしいアドレナリンが沸々と!

僕、これから日本に行ってきます。そしてダグラスを引き取ってこないと!

(そしてその『友人』に会って確認したい!!!)」



「左様でございますね。

ではドーン様の飛行機が使えるよう手配しておきますので」



「うーん、ドーンのかぁ・・・」



「お急ぎの時は背に腹は代えられませんよ」



「・・・そうだね!  ありがたく使わせて貰うよ」



「はい。そうなさいませ」



「ドナルドは僕が帰るまでゆっくりしてるといいよ。 直に戻るから。

こういうときこそロッティに甘えるんだ」



「はい・・・

今がその時でございますね」












甘える。。。

子供の頃に父に甘えた感じと同じでいいのでしょうか・・・・・・

父と女性とでは違いますよね・・・ふーむ。



こんな時ドーン様にお伺い出来ましたら・・・・・・

女性には甘え上手でいらっしゃいましたものね?ドーン様・・・・・・・

わたくし少々あなた様を真似てみます。










「くっ、くふふ・・・・・」



「どうした?頭に来たか?ユーリ。 気持ち悪いぞ」



「おや?いつのまに」



「ユーリすまん。 オートミールがなかったのでな、フレンチトーストを作ってみたんだが、、、、

失敗してパンを全部駄目にしてしまった//// ケータリングを頼もうと思うのだが・・」



ここで言葉を遮る。ユリウスの優しさである。



「ところで ロッチェル様、このあとご用事は?」





「急患がない限り特に無いが」



「そうですか。わたくし映画が観とうございます。 これから付き合っていただけませんか?」



「どうした?急に////

いやいや、嬉しいな! そうか!なにを観る?恋愛ものか?SFものか?」





「西部劇が好みでございます」



「そ、そ・・うか・・よし!それにしよう。 体に無理ないようプレミアムシート予約するよ!」



「大丈夫でございますよ。 わたくしには優秀な主治医がおりますから」



「私は産婦人科だぞ?」



「くくく・・・」





「ハハハハ!!!」



「着替えて参りますね。ロッティ様は着替えずそのままでございますか?」



「ああ、そうだが」



「では、その情熱的な赤に合わせてまいりますね。少々お待ちください」





「いま、『ロッティ』って呼んでくれたよな。//// Yes,Yes,Yes!!!」















「ロッティ様。お待たせいたしました」




「二日ほど早いですがこれを。

家の温室で育てたもので恐縮ですが」





「あ、ありがとう。 二日後?何かあったか?」



「いやでございます、ロッティ様。 バレンタインでございます」



「ば、バレンタイン? ということは?・・・・・」







「わたくし愛の告白をしているのでございますよ」






「おおお・・・・愛しのユーリ・・・・」







「10年間お待たせいたしました」



「では参りますか」





















日出ずる国、日本・・・・・・・・・・










時差によりスターライトショアから14時間先、

おまけのwwプラス1日の日本。






二月半ば・・・まだ春には程遠いと思わせる寒い夜明け前。







鏡が曇るほど、体から湯気を上げている二人がいた。

静まり返ったダンスバーのフロアに女の喘ぎ声が響く。




(この方の宣伝マンではありませんwwが↓流しながらどうぞ。歌詞は夏ですが、伊勢谷に合ってるのでv)










最高~!ア~ン!すご~い!










「あ~ん!店長のおチンチン、ツイストしてて~、アア・・

中で引っ掛かって~・・ウ~ン・・気持ちいいんですけど~」



「でしょー」



俺の事、店長って聞いてるんだぁ?ふーん・・・・・怖いもの知らずって幸せだよねー。







「君のおマンピーも、さすが踊り子さんだねー。腰の回転もすごいしー。

超締まって気持ちいいよ、アイコちゃん」







「ホントですか~?心なしか棒読みですけど~、アーン、嬉しいんです~。 アハ~ン・・・・

因にわたしの名前アカネです~。 ウ~ン、一年ここで踊ってるんですから~ん、

ウ~ン・・いい加減覚えて下さい~ン」





「伊勢谷さーん!ご所望のコールガール来てますよー!」



「えー?もーお? 部屋に通しておいてー!」



「わかりましたー!」






「ごめん急用入っちゃっ た。 ラストスパートいくよ!フン、フン、フン・・」



「ア~ン!!!スゴいです~!!!硬っい棒大好き!アン、アン、アン!!!あ~~~~ん!!!」



「行った? 行ったのね? はい、抜くよ」






「テンチョ~!ハフ~////、最後にはキスもくださ~い」



「あー、、、キスは好きな人としかしないの、俺・・・」






「エーッ?今時マジですか~? 店長って意外とロマンチストなんですね~?」






「意外とってなによ?見たまんまだろー?

てか、君のマンピー汁、すごい量なんだけど。

おきにのジーンズびしょびしょ・・・まーいいかぁ。このあとすぐ脱ぐんだし。

・・・もう始発動いてんな。気いつけて帰れよ、アケミちゃん」



「近い!アカネでした~。v は~い。気をつけて帰りま~す」



「あ。これパンスト代な」




「えっ!?三万円?こんなにしませんよ。  これせいぜい3000円です~」





「お前いい子だな~。いいからいいから取っとけ。 パンスト破って突っ込んじゃったお詫びー」



「いえいえ燃えましたよ今回のプレイ。

私から誘ったのに悪いですね~、遠慮なく貰っときま~す。

じゃあ帰ります~。お疲れした~」






「はいはい。 お疲れ~」












「伊勢谷さん、大丈夫すか?クマ出来てますよ」





「あー、大丈夫、だいじょうぶー。 女の子、奥?美人だった?」



「はあ。そこそこ。。。いってらっしゃいませ」





「はいはい。行ってきまーす」







「伊勢谷さん、あれから魂抜けたようですね? 髪まで切っちゃって、乙女ですか?」



「ああ。一週間ろくに寝てらっしゃらない。 神経が張ってお休みになれないそうだ。

仕事以外は華織 さんのこと考えないよう、ああやって女で没頭してらっしゃる」



「はぁーッ!?それじゃ伊勢谷さんも、後追っちゃいませんか?」




「そう思って今飲んで行っ た水に睡眠薬いれてみたが、はて?どうなるか・・・」



「えっ?!そうなんですか?それじゃあ最中に寝ちゃうじゃないですか!」







10分経過・・・・・









「あの~。。。

お客様お休みになられてしまったんですけれども・・・」



一同 「ヤッター!!!」



「へ?」







「いやいや、こっちの話で。

ところで御嬢さん。相手はチェンジ出来るんですかい?」



「はあ。少々追加料金になりますが」



「構わねえ。 ほら、山根!相手してもらえ」






「いいんですか?ではおこぼれ頂戴しますぅ」



「このまま帰ったのでは、わたくしも恥ずかしいので、そうしてもらえると助かります」



「俺ら一旦家にけえるから、伊勢谷さん頼むぞ」



「えー?帰っちゃうんですか?」



「あれだけ女の喘ぎ声聞いてみろ。俺らの下半身保たねえっつうの! かみさんとヤッて来らあ」




























駄目ですったら!これ以上中へ通せません!














「ダーーー!うるせえな!」



「わーーー!!!起こしちゃいました?」







「起ーこーしーたーーー?

クッソー!なにか盛りやがったな?!クラクラしやがる!今何時だ?」



「アワワワ~午前8時です。 まだ2時間もお休みになってませんよ~? ガクガクブルブル」







「ごるぁぁ!!!まんまと銀柳のく・み・ちょ・うの座が転がり込んだ根~岸~!!!

どの面下げて桜木の門潜りやがった!!!」



「伊勢谷さ~ん。ウチには門なんてありませんよ~ガクガク」



「アホはすっ込んでろ」



「ヒーーーィ!!!」



「桜木のわ・か・が・し・ら。

葬儀に参列させなかったから、拗ねてらっしゃるんですかい?今回はそのお詫びとお願いに上がったんで」



「はあッ?詫びて酒一本とは安く見られたもんだなあ。なぁ?山根よお?」



「は、はい~」





「まあいいや。 おい!根岸。 奥で話聞いてやる。入りやがれ」





俺は山根に目配せする。 同盟を組んでるとはいえ、俺は根岸を信用しちゃいねえ。

華織の許婚だったという妬みも正直ある。

山根に頼んだのは本当に一人で来てるか確認させるためだ。



山根、瞼だけで頷く。








「手前じゃねえ。奥行きやがれってんだ!このでくの坊」





「んで?話ってのはなんだ。 てか、おめえも髪切ったのかよ!オソロやなんだけど」





「??? 髪の意味は分かりやせんがぁ・・・

ハハハ。そんなに警戒しなくて大丈夫でさぁ。弱り目に祟り目はあっしもおんなじで。

こんな時に襲撃したりしませんよ」



「どうだか?」



「・・・まずは助けていただいたお礼を。

決して好意を抱いてない野郎に手を伸べていただき、恩に着やすぜ伊勢谷さん」




「んあ?・・・好意抱かねえのはお互い様だろ」



含み笑いをすると、根岸もそれに応えた。






「それと葬儀参列をお断りした経緯をちょっと・・・・・・

言い訳臭くなりやすが、病院送りにしていただき手当してる間、二日間ほどあったんですが」



「けッ!その間くたばってたってか?」




「へえ。お恥ずかしい。

・・・実はその間に銀柳の親父がアメリカから帰国して、

安置してある華織さんをかっさらって行方をくらましたんでえ」



「!!!はあッ!?

そんじゃあ、誰の葬儀をしたってんだ?」



「へえ。・・・・空の棺おけでさあ」



「・・・ ・・・  ・・・

それで合点がいったぞ。 通夜をやらずにいきなり葬式だったな?」





「へえ」



「俺を参列させると必ず華織の顔を拝まれる・・・だからか・・・」



「それだけじゃないんで。

・・・生き残ったあっしの下っ端が、たまたま華織さんの霊安室の近辺にいたんですわ。

親父が華織さんを連れ出す際『伊勢谷に敷居を跨がせるな』と言い残していったそうで」



「は~ん・・・。

日本の興信所も使って俺のことも割れたか・・・」



「へえ。。。

アメリカ渡る前に『埋めるまではしねえが、帰国したら制裁は加える』と言っておりやした。

あっしもその時は心穏やかで無かったですが、流石に昔のことなんで。

若気の至りってことでさあね?」






帰国したら制裁・・・・か。 華織が死んでそれどころじゃなくなったってことか・・・・。 


「お、おう・・・若気のいったりきたりだ。

? てか、何で華織連れ出すの止めないんだよ!」



「それはあっしも下っ端を咎めたんでさぁ。

そしたら『こんな寒いところじゃ可哀想だ。化粧してやるからな』と、

頭撫でたりキスしたりと正気の沙汰ではなかったそうで」





あの溺愛振りじゃあそうなるかもしれんが・・・・

俺だって最後の華織を思い出すたび気が狂いそうだ。


逆に安心する自分もいる。

おやっさんなら華織を手厚く葬っていてくれているに違いねえ。





「そこでお願いなんですが」



「おう」



「華織さんを孕ませた奴を殺ったのはこの状況下でどう転んでも親父でさあ」



「ああ。そうなるな」



「人探しのプロも使えないんで、伊勢谷さんにも協力を願い出たいんで。

親父探し手伝って頂けないで しょうか? 折角隠し通した葬儀の真相を明かしたのもそのためでえ」



「それに関しちゃあ俺もやぶさかじゃねえよ。 モノホンの華織の墓に手を合わせたいしな」





「そりゃあありがてえ。恩にきまさあ」



「ハハ・・てめえ俺にいくつも借りつくっていいんか?

まあ他の支部と地方の同盟組んでる組に手を回しておくが、、、

おやっさん探し当てたらどうすんだよ。 まさかサツに突き出すのか?」



「いえ、それは親父本人に任そうと思っておりまさあ。

今まで育てていただいたお礼を申し上げたい。・・・・・・ただそれだけでさあ」



「そうか・・・・

それはそうとお前の下っ端に言っといた件、聞いてるか?」




「へえ。 華織さんのお子の件・・・

伊勢谷さんの仰る通りうちの組には迎え入れないと決定致しやした」



「おう。そいつぁあよかった」



「その時でやす。

丁度の頃合いで〈兄〉と名乗る奴が訪ねて参りやして。

パスポートや遺産相続の証書やらで、本人と確認したんでダグラスさんを渡す事にした次第で」



「はあ!?また勝手なことを!・・・・で、その証書は本物か?」



「へぇ?」



「へぇ?じゃねえよ!お前の組にどんだけの英語の読解力ある奴いるんだよ?」



「いやぁ。その〈兄〉がやたらと日本語を流暢に喋る奴でして、、、、

確認したのは証書に書いてある・・名前・・だけ・・あ!!!?」




「アホかお前は。だから銀柳が潰れかかるんだろよ!

あー、もう!俺がその兄と名乗る奴に会って確認してやる。今何処にいるんだ?」



「英語出来るんですかい?」



「米軍相手にしてる飲み屋のあんちゃん、そいつ連れてくんだ。

そんなこといいから!そいつは銀柳の屋敷か?」



「宇美茶さん宅を教えやした。今頃もう連れ帰る算段してるかと」




「なにーッ!?」





なんでいつも俺にはギリギリの選択肢しかねえんだよ!

ダグラスともう会えねえじゃねえか!・・・・・・・・





「根岸!おめえは帰って布団でも被って寝てやがれ!

おい山根ーーー!根岸さんがお帰りだ!塩まいとけ!」




「は、はい!」



「俺は一寸出かけてくる」



「はい。行ってらっしゃいませ!」









「山根君といったか?いい兄さんを持ったな」



「はいッ!」



「今後とも銀柳をよろしく頼むわ」

















荒い運転でブレーキをかけたタイヤが駐車場の砂利を撒き散らす。






鉄製の階段を三段抜かしで駆け上がる。


ダンッ、ダンッ、ダンッ!!!




これまたカギが掛かってないのを知ってるので、力任せにドアを開く。



バァッッッン!!!




「おい!ダグラス!!!


       ・・が・・いた」



こけそうになる自分を何とか立たせる。







「おっちゃん、いらっしゃい」




「お、お、おっちゃんじゃねえよ。 お兄ちゃんと呼べといってるだろよ」



「うん。 なーに、なんのよう?」




「美勇君!ちょっと大丈夫!? なんかスゴイ音したけど?」


「あ、・・おばちゃん大丈夫だよー!」


「あらそーお?夕飯はちゃんと母ちゃんが作ったご飯、あっためて食べるんだよ!」


「うん!わかった~」




「いまの隣のおばちゃん。母さん仕事でいないときとか、面倒見てくれるんだ~」


「ほー、そうか。 じゃ、安心だな」


「それで?どうしたの?今日は」


「あ~いや、ダグにちょっとな」





冷や汗を拭いながらポケットに手をやる。







「おい、ダグ。 これお前にやる」





それは五年前に華織が送り返してきた、俺がプレゼントした指輪だ。





「かあちゃんの形見だ」





ダグラスの手の平に乗せてやる。





「わ~。緑色の石がきれいだね。 よかったね?ダグちゃん」







ダグラスこくりと頷く。





「まだ話せないのか?」





美勇のほうへ顔を向け聞く。





「うん。 おっちゃん、コーヒーしかないけどいい?」




「おう、サンキュ。今度こそ濃く作れよ。

そうかぁ、初めて名前聞いた時はしゃべれたのにな?ダグ」



ニコッと微笑む。



「でもダグちゃん、ちゃんとしゃべってるよ。 顔見れば分かるもん」



「ああ、そうだな」





おっと。ここへ来たもうひとつの用件を忘れるとこだった。





「おい。 ここに外人来なかったか? うわ!また薄いぞ、コーヒー」



「子供も飲むんだから~・・・・ダグちゃんのお兄さんのこと?」



「ああ」



「来たよ。ダミアンさんて言うんだって。 母さんと話して帰ったよ」



「何話てたかお前に分かるか?」




「えーっとね、ほんとはダグちゃん迎えに来たみたいだったけど、

ダグちゃんの父さんの会社を小さくするのに物凄く 時間がかかるんだって。

それを聞いた母さんが、そちらが落ちつくまでダグちゃんを預かりますって言って、

このままいることになったんだよ。ねえ?ダグちゃん」



ダグラス頷く。本を読みながらちゃんと聞いている。



「そうか。その方がいいな」



「うん。 ボクも仲良くなったのに連れて行かれなくてよかったよ。

ダミアンさんも母さんにまた会えるって言って大喜びしてた」



何、早速色目使ってんだ?そいつ!



「そういえばそのかーちゃんはどこいったんだ?」



「うんとね、父さんが迎えに来て~、、、

アハンウフンしに行ったよ」



美勇、わざと伊勢谷の顔を覗きながら言う。






ブゥーーーーッ!!! 俺は口に含んだコーヒーを盛大に噴出した。






「アハンウフンて、お前意味分かって言ってんのか?」



「あーもう、汚いなぁ。顔に掛かっちゃったー!

デートのことでしょッ?」



「いやあ。。。全く違ってはいねえけど・・・」



「幼稚園の頃まだ父さんとボクたち一緒に住んでたのね」





離婚しても体繋いでる関係かよ・・・・・





「押入れに秘密基地作って、夜もそこで寝るのがマイブームだったの。

そこに寝た時だけ母さん達の声が聞こえてくるんだよ」



「アハンウフン、てか?」



「うん」



「ぷっ!生々しいな、おい」



「母さんに聞いたら、『デート』って言うんだって」



どんな教え方しとんじゃい。





ジーーー。。。




「なんだよ?」



「おっちゃん、母さん好き?」



「どうゆう意味でよ?『好き』にはいっぱい意味があんぞ?」



「うん。。。・・・カラギャ・・バザラバトバ・・バンコク

・・・・・なんかね~、恋しちゃう感 じ?」



「なんだ、今の呪文みたいなの? あと一瞬白目むいたぞ」



「ん?ボクなんか言った?」



「・・・・・・・・・?」



「駄目だよ、母さんは」





「まだ始めの一歩もねえのに・・・これから好きになんのか?」



「うん。でも駄目だってば。

おっちゃんはねぇ、、、もっともっとおっちゃんになってから、待ち人来たると出た」




「おみくじか?お前www」



「やっとわらったね」



「お、おう」



「ここへ来てからずっと眉間にシワすごかったから。 その方がイケメンだよv」



「そうか?ww」



「うん。福来たるだよ」





あはははは・・・・



ダグラスも本を読みながら笑ってた・・・・





「おっちゃんも、かーちゃん帰ってくるまで留守番してもいいか?」



「おっちゃんて認めたな~? いいよ~遊んでくれるなら」



「おうよ!何して遊ぶ?キャッチボールか?」



「え~~~。男の子の遊び~?」



「坊主はやっぱ野球だろ?」



「(ボクたまに女の子出るんだけど、そのうち言えばいいか)

うんとね~、ボクとダグちゃんがお医者さんで~、おっちゃん患者さん」



「お前、ませガキだな・・・・」















一方そのかーちゃん達は・・・・・







「あー、やっぱり駄目だったんだ?」




「古くからの客大事にしろってな。頼みの綱も駄目だったとすると・・ふーむ・・・」




「ダメだよぉそんなこと言っちゃあ。オーナーからすればお客さんはみんなおんなじv

あ、今日バレンタインだからだよ~。 

バブリーな時代終わったのに、カップルは違うんだね~。

そうだ。帰って子供達、押入れに寝せちゃう? うふふ」





「ばーか。

・・・よし!ちょっと遠いけど八王子インターまで行ってみよう」



「何か当てがあるの?」



「う~ん。俺の秘策v」



「そうなんだ」













「お~、ここここ。案の定空いてるわ」



「ここコテージ?」



「ん、コテージ風ラブホ」




「ラブホってラブホテル?」



「そう」



「わ~い、初めてだ~!嬉しい!」



「そんなにか?そんなに喜ぶんなら、もっと早く連れて来るんだったなwww」



「信人さんは来たことあるんだ~?」




「ドキッ! な~んて。。。

俺たちが出合ったの俺が26の時だぞ。 ラブホの一つや二つ行った事あるに決まってんだろ」



「ふ~ん、そうゆう もんなんだ~」



「そうゆうもんなの」
















「わ~枕元にキャラメルが置いてあるよ。 甘いのは疲れにいいもんね~」


手に取り、箱を開けようとする・・・




「それはコンドーム」



「////あっ」


後ろにコンドーさんを放り投げる。





織田、コンドーさんを拾い上げ元に戻す。



「それとそれと~・・・・・」




「闇衣!もうやめろ!」



「え?」



「ごまかしてもわかる。 お前、何か抱えるとおしゃべりになる」




「・・・・・・・」



「悲しい時は泣け。何年お前のマネージャーやってると思ってんだ。心のフォローはいつでもしてやる」




「ふひ~。そんな優しいこ と言うから~、涙出てくるじゃん。ふえ~~ん」



「よしよし」














「今のアパート三人じゃ手狭だろ?マンション用意してやるから、引っ越せよ」


「それはイヤ」



「なぜ?」





「私の教育方針なの。 最低限の生活で楽しく工夫して育てたいんだぁ。

『貧乏』にじゃないよ。 安物買いの銭失いはしないもの。 物を大切にする心も育つと思うの」




「・・・そうか。

その方がお前みたいに素直に育つのかもな」



「でしょ?」



「こら」



「エヘヘ」








「そうだ、会ってからずっと言おうと思ってた。。。そのカラコン似あわないぞ。 無い方がいい。

誰だ、マネージャー?」



「マネージャー付けてないよ。知ってるでしょ? 小さなジャズバーだもの」



「そうか・・・俺がやってやる」



「駄目だよ。 私達が接触あるの、織田の家にばれちゃうでしょ? 美勇守れなくなっちゃう」



「・・・・・・・そうだよな。・・・・・・・・・お前、いい人出来たら教えろよ。

俺のお眼鏡に適えばその時はすっぱり諦めてやる」



「信人さんもね」



「俺はもう結婚はしないよ。 お前達がいてくれたから、人生十分だ」












「さてそろそろ帰るか」



「うん」



「隙間少し埋まったか?」



「うん、ありがと。元気もらった」

















「さあさ、撤収撤収」



「やだ~もうムード無いなぁ」



「ムードのやり直しでもう一回する?」



「うんん。 美勇たちが待ってるから」



「だな」




「信人さん、すごいよ~! シャンプー、リンス、ボトルでおいてある~。

もって帰っていいの?」



「ダ~メ!それは備え付け」






その留守番チームは・・・・








「お医者さんごっこで横にした途端寝ちゃったね~」




ダグラス時間を見る素振り。



「うん、そう。もう三時間寝てるね~。 でも気持ちよさそう。このままにしてあげようか」



「コクリ・・・」





静かに扉を閉め部屋を出て行く。


子供たちからマイナスイオンを得た伊勢谷は死んだように寝た・・・ひたすら寝た。






















しばらくすると帰って来た両親。



ぎぃぃ。。。。(織田しばし沈黙)


織田 「おい、闇衣。こいつ誰だ?」

闇衣 「あら、伊勢谷さん」

織田 「おい!起きろ!こら!」

伊勢谷 「う~ん。看護婦さん、いけません、・・フニャ・・そんな・・とこ・・さわっ・・て・・は・・クーzzz」

織田 「・・・・・・・・・・・」

美勇 「父さん、おっちゃんボクの友達なの」

織田 「お医者さんごっこか?美勇、へんな事されてないだろうな?」

美勇 「変なことって?父さんたちみたいなこと?」

織田・闇衣 「//////」

闇衣 「このまま寝せてあげて。伊勢谷さん大変なお仕事してるの」

織田 「・・・・・しょうがないな・・・俺も泊まってく」






という訳で織田も泊まることになったアパートの一室。

子供たちは押入れに寝ることになって、大喜び。

この晩アハンウフンがあったかはご想像にお任せする。























同じ時、マイナス14時間のスターライトショアでは・・・・






  



本命に振られた時にだけ、私を抱きに来るあの人・・・・

それでも最初は全然よかった。

他にたくさん女がいるけど、私のところへはよく来てくれたもの。

子供を身ごもった時、下ろせと言われるかと思った。

でもあの人は「産んでくれ」と言ってくれた。

きっと愛されてる。そう思った。




でもここ二、三年来る回数が減った。

きっと本命に、気持ちの変化があったんだわ。

下の子もパパに会いたがっている。

「寂しい」「会いたい」

そんな思いが募った時、私はとんでもないことをしてしまった。

あんなに口止めされていたのに・・・・・

本命が大切にしているもの、みんな壊れてしまえ。

そんな気持ちからだった。



それが、あんな事になるなんて・・・・・

ごめんなさい。あなた。















































「死んでしまいたい。

こんなに苦しいなら・・・・」



数ヶ月ぶりにやっと私のところへ来てくれた。

10年待った本命との結婚を諦めてしまおうか迷ってた。

遅いわ。

あなたが来る前日、腹いせに探偵と名乗る人と寝てしまったのよ。

もう名前すら覚えていないけど。

でもこれで私のほうへ向いてくれるわね。

そう思ったのに・・・・




もっと早く私のところへ来てくれていれば・・・・・

あなたが悪いのよ。

ううん。私が悪い。

私は二人を殺してしまった。















































































































家主を失ったティール家・別宅・・・・・










ブーーーーー・・・・・・・・・

静まり返った屋敷に、ブザーの音が響く。



「はい。どちらさまで」





「俺・・・・

俺、サンセットバレーで探偵やってるケヴィン・ルーニーというものです」



「はあ」







「俺が、、、お、俺がドーンさんを殺したようなものなんです」





「???

・・・・ここではなんですので、どうぞお入りください」

















「お話はよく分かりました。ですがあなたが悔やむことではないようですよ?」



「そんなことは無い!このことは予測できたはずなんです」





「予測できたら、報告書を捻じ曲げて書いてもよろしいんですか?そうではないでしょう?

あなたは、あなたのするべき事をやったまでです。ドーンが探偵ならきっと同じ事をしたで しょう。

正しく報告を上げる、それがあなた方のお仕事であり義務なのですよ」



「・・・・・・・・・」



「それとここへ来たことは、依頼主の守秘義務を破ってるのですよ。 それで探偵が務まりますか?」




「・・・・・・・・本当に・・・・その通りです」



「いっそこの事件を踏み台にして、新たな気持ちで始められたらいかがですか?」



「???」



「ドーンは仕事人間でした。 きっとその方が喜びますよ」




「そうでしょうか?」



「ええ。

どうですか?ドーンに会って行かれませんか?」





「え?」



「ドーンは本宅の方で眠っております」



「はい。是非」



「では、ご案内いたします」






































「あなたはまだお若い。

どうか。。。どうか、前へ進んでくださいましね」



「はい・・・・ありがとうございます」






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あとがき的な。。。

今回始めて闇衣のオッパイ出しましたが(あまり出てないかw)、華織と出会った15歳の頃、
お互いの大きさを羨ましがってた隠れエピソードがあったりします。実は闇衣はデカくて、
華織は貧乳なんですよ。闇衣曰く「肩こりするからいや」、華織曰く「翼君とそうゆう事になった時、
これじゃ揉み甲斐無くて可哀想」wwwと。女友達にありがちな会話を普通にしていました。
まあ、お話読んでも分かるとおり、男子達は気にしてませんがね。

今回私の分身美勇に、150年置きに輪廻してくる占い師がちょっと出てきています。
だからって、漫画ほど面白い話は書けないので、今回程度なもんです。
妄想なので、分身がちょいちょい出ばって来ますが、どうもすいません。
今のうち謝っておきましょv v

いつもつたない文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。